駅近駐車場をもっと有効利用!

皆さんが通勤で使っている駅の近くに、駐車場や駐輪場は無いでしょうか?
もちろん、駐車場や駐輪場も必要なものですが、せっかく立地がいいのにちょっ
ともったいないな・・、と感じたことがあるかもしれません。
今回は、不動産鑑定士がコンサルティングを行い、駅近駐車場を有効利用できた
事例をご紹介したいと思います。

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 駅近のコインパーキング兼駐輪場
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対象地は、幹線道路沿いにある地下鉄駅至近の土地で、広さは約230坪。当時、
コインパーキング兼駐輪場として使用していました。
誰が見ても好立地である事は間違いなく、もっと有効利用しないと勿体ないよう
な土地ですよね。
ただ、所有者に投資余力がなく、かつ売却も望んでいなかったため、上記の使い
方が続いていたそうです。

当時の売上は月約100万円で収益性の向上が課題でしたが、容積率400%の駅前商業地であったため、担当鑑定士は売上アップは十分可能と考えました。

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 事業用定期借地権を設定
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「土地は売りたくないけど、もっと収入を増やしたい・・」。このような時に活用できるのが、「定期借地権」制度です。
通常の借地権には、存続期間満了後も借地契約の法定更新が認められ、借地権設
定者からの更新拒絶に制限があり、借地権者に建物買取請求権が認められるなど、
借地権者に有利な扱いがされています。

一方、定期借地権では、存続期間を50年以上として借地権を設定する場合、契約
の更新や建物買取請求権を認めない特約をすることができます。
今回のケースでは、さらに地主にとって有利な事業用定期借地権を設定しました。
事業用定期借地権の概要は以下の通りです。

■借地権の存続期間
 10年以上50年未満
■契約の更新と借地人による建物買取り請求権
 10年以上30年未満:なし
 30年以上50年未満:あり(但し、特約で「なし」と定める事ができる)
■契約時の書面
 公正証書による
■建物の使用は事業用に限定

という事で、地主としては土地を売却する必要もなく、安心して借地権を設定す
る事ができたのです。

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 売上が月140万円にアップ!
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新たな活用方法として駐車場付き飲食店を想定し、地代を月140万円に設定しま
した。
こういったケースでは、借地の上に自社利用物件を建築する場合と、商業ビルを
建てて収益物件とする場合が考えられますが、いずれにせよ地主には追加投資が
必要なく、土地もいずれ戻ってくるのでリスクがありません。

借地人の選定は宅建業者に依頼し、提案から実行までの期間は比較的早かったそ
うです。

いかがだったでしょうか。
このような課題解決ができれば、依頼者にはもちろん喜ばれ、同時に駅前発展に
つながり地域住民にも喜ばれます。まさに地域貢献度が高いケースと言えるでしょ
う。
皆さんの通勤時に、土地有効利用の視点で駅周辺を眺めてみるのも面白いかもし
れませんね(笑)。