災害への備えと不動産評価への影響

2019年も残りわずかとなってきました。
今年印象に残った出来事の一つとして、日本各地に甚大な被害をもたらした台風
が挙げられます(被害を受けられた方々には心からお見舞い申し上げます)。
もはや過去の経験値が活きないような災害は、皆さんの記憶にも強く残ったので
はないでしょうか。
地震に加え今後は気候変動の影響などにより、予測不能な災害が発生する可能性
は高まっているものと考えられます。

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 まずはハザードマップで確認を
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実は私の練馬区の自宅も、数十メートルという近い所に白子川という川が流れて
おり、練馬区の浸水ハザードマップで1m未満の浸水予想地域に指定されています。
今年の台風19号の際には改めてハザードマップを確認し、浸水しても慌てないよ
うに一応の準備をしつつ身構えていました。

皆さんはご自宅や職場のある地域のハザードマップを、ご覧になったことはある
でしょうか?
各自治体のホームページには、その地域の特性に応じ、浸水や土砂災害、津波な
どのハザードマップが公開されています。
また、いざという時の避難場所、医療拠点、緊急交通路などについては、防災地
図などに掲載されていますので、一度確認されることをお勧めします。

国土交通省ではハザードマップポータルサイトを公開し、災害リスク情報などを
地図に重ねて表示できたり、各市町村のハザードマップにリンクが貼られていま
すので、こちらで調べることも可能です。

※国土交通省「ハザードマップポータルサイト」

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 地盤を調べたければアプリで
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ご承知の通り日本は地震大国ですが、地震が起こった時の被害の大きさは家その
ものの耐震性はもちろんですが、その土台である土地=地盤の強さも関係してき
ます。

戸建住宅を建てた方はご存知かと思いますが、ボーリング調査を行い地盤が弱け
れば地盤改良が必要になります。
私の自宅も地盤改良が必要で、地盤を強くするために相当数の鉄杭を地面に打ち
込み、その上に家の基礎を作りました。

何年か前に土地の液状化が問題になりましたが、地盤の強さも土地を選ぶ際の重
要なファクターの一つです。
ご自宅や購入を検討している土地の地盤を調べたければ、今はスマホのアプリが
いくつかありますので、インストールすれば地盤の強さを調べることができます。

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 今後は不動産評価にも影響か?
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武蔵小杉では、台風19号により多摩川の水が排水管から逆流し、タワーマンショ
ンが林立するエリアが浸水したり、停電によりポンプが動かず、タワマン全戸で
断水、トイレが使えない状態になったりしたそうです。
そうしたことから、固定資産税や都市計画税が減免されても良さそうですが、今
のところその可能性は低いようです。

台風などによる水害や風害、土砂崩れなどが発生する可能性については、今まで
もそうしたリスクをある程度は不動産の評価に織り込んでいたとは思います。
ただ、今後はよりシビアに見ていく必要があり、土地が存する場所的な問題だけ
でなく、その建物がどれだけ災害対策をしているか、災害に強いかという点も、
取引や評価を行う上での重要度が増していくものと考えられます。

いかがでしたでしょうか。
災害が発生すれば自身の生活に直接的に影響しますので、できる限りの備えをし
ておくべきですが、しばらく何も起こらないと危機感も薄れてしまいます。
我が家も備蓄している水や食料がいつの間にか期限切れになっていたりしますの
で、改めて点検する必要がありそうです。