不動産ポートフォリオによる改善戦略!

不動産を所有していると、当然ながら経年と共に古くなり、修繕費はかさみ、賃
貸物件の賃料は下がり収益力も落ちて、資産としてのリスクは高まります。
そのまま手をこまねいていても、行き詰ってしまう可能性がありますよね。
今回は、多数のビルを所有する不動産オーナー会社に対し、ポートフォリオの分
析、資産組替えにより、リスク軽減を図ったコンサル事例をご紹介したいと思い
ます。

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 築40年以上の物件が1/3
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依頼者は国内の都市部にビルを多数保有し、その多くを賃貸物件として活用。
ただ、保有物件全体の1/3が築40年以上と古く、自社グループでの利用が7~8割
で、地方物件が約15%を占めていたそうです。

課題として、老朽化に伴う収益低下と、将来、建替え時期が一斉に到来した際、
負担が一気に増加し経営を圧迫するという点が最初に挙げられます。
次に、自社グループでの利用度が高いため、移転先の確保等が障害となり、建替
えが円滑に進まない可能性があります。

また、地方物件が1割以上と多いので、管理が非効率になっている ことと、今後、
地方経済縮小の影響を受ける懸念がありました。

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 ポートフォリオ改善施策を提案
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上記の課題に対し、保有物件の査定とポートフォリオ分析を行い、以下の提案を
行ったそうです。

■以下の物件購入によるポートフォリオ改善
 ・築浅でグループ使用を前提としない賃貸用物件
 ・グループが賃借している第三者の物件
 ・将来のグループ使用に適した立地の物件
 ・グループ使用物件の近隣で再開発される可能性がある物件

■出口戦略の検討
 ・築古ビルの計画的な建替え計画の立案
 ・建替プロジェクトの時系列的な展開と資金計画の提示
 ・重要性の低い資産の見極めと売却
 ・売却代金の建替え資金への充当

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 持続可能な不動産戦略へ
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依頼者は提案された施策の一部を受け入れ、資産の入れ替えを進めているそうで
す。
従前の保有不動産の管理のみでは、この先、資産の老朽化とともに行き詰りも懸
念される状態でしたが、不動産の新規取得、開発、売却を組み合わせて、持続可
能な不動産戦略への転換を図ることができました。

いかがでしたでしょうか。
複数の不動産を所有されている場合は、一度、保有不動産の現状を良く把握した
上で、資産の入れ替え等を検討されてみるのもいいかもしれません。