オフィス賃料はどこまで上がるの?
皆さんが普段仕事場として使っているオフィスの賃料は、坪単価でいくら位でしょ
うか? 相場より高いのか、安いのか・・。
契約更新時には、家主と値上げ・値下げ交渉になった経験がある方もいらっしゃ
るでしょう。
今回は、そんなオフィス賃料について最近の動向と今後の見通しをお伝えしたい
と思います。
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バブル崩壊とリーマンショックを乗り越えて・・
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オフィス賃料は、1992年のいわゆるバブル経済崩壊後から長らく下落を続け、
ようやく2005年頃から景気回復により上昇基調に入りましたが、2008年にリーマ
ンショックが発生し、再び急降下。
そんな二度の試練を乗り越え、2014年頃から再び景気回復により上昇を続けてい
ます。
特に、東京都心部ではオフィス需要は旺盛で、優良物件については貸し手優位の
状況となっています。東京に限らず地方の都市部においても、ここのところオフィ
ス需要は旺盛なようです。
ちなみに住宅の方はどうかというと、オフィスほど賃料は大きく変動せず、オフィ
スは需要と供給に応じて賃料を上げやすく下げやすく、一方、住宅は上げにくく
下げにくいという傾向があるかと思います。
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渋谷がオフィス賃料日本一に
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日経新聞にも出ていましたが、渋谷区が千代田区を抜き、オフィス賃料日本一に
躍り出ました。
もともと、渋谷区と千代田区のオフィス賃料は拮抗し、抜きつ抜かれつの状態で
したが、2018年以降は千代田区がやや優勢でした。
ところが、今年8月に渋谷区が抜き返し、9月の平均賃料は千代田区の23,954円/
坪に対し、渋谷区は24,607円/坪と差が拡がってきました。
ご存じの通り、渋谷駅周辺では「渋谷ストリーム」など大規模な再開発が行われ
ており、IT企業の集積も進むなど、人気に拍車がかかっているようです。
都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス平均賃料は上がり続けて
おり、2019年9月が21,855円/坪と、対前年同月比で約7%上昇しました。
尚、データの詳細は三鬼商事の下記ページにてご覧になれますので、ご興味のあ
る方はどうぞ。
https://www.e-miki.com/market/tokyo/index.html
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今後も東京23区は上昇局面か
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東京都不動産鑑定士協会が今年4月に行ったアンケート調査(不動産鑑定業者、
不動産仲介会社、不動産賃貸会社、デベロッパー等143事業者が回答)では、東
京23区内のオフィス賃料は1年後も上昇するとの予測となりました。
一方で、23区外では下落との見方が強くなっています。
上記を踏まえると、今のところ都心5区はまだ暫くオフィス賃料は上がりそうで
すし、23区内でもその傾向が続きそうです。
ただ、オフィス賃料は景気の動向に強く左右されるため、貿易戦争や消費増税の
影響など予断を許しません。
いかがでしたでしょうか。
オフィス賃料は景気のバロメーターとも言えますので、借り手としては賃料が上
がるのは痛いですが、好景気が続いている事の裏返しにもなるかと思います。